プロフェッショナルの言葉

白井です。
先ずは熱海での土石流被害にあわれた方々に、心からお見舞いを申し上げます。
一刻も早い捜索と復旧を願います。

本日は、私が尊敬している日本を代表するヴィオラ奏者さんのお言葉のご紹介です。

ずいぶんと昔、その方と一緒に飲んでいる時に教えていただいた言葉です。

その奏者さんが演奏を引き受ける理由は2つあるそうです。

それは単純明快
「金かやり甲斐か」
です。

私はこの単純なお言葉にとても感動しました。
これぞプロの言葉だなと。

お金が良ければもちろん引き受ける。
そして、「次につながる」とか「大きく世に貢献できる」とかの場合には無料でもやる。でもそれ以外では絶対にタダでは演奏しない。

当然のことなのですが、なかなかこれが出来ていないのがこの業界です。

プロの演奏家を格安で…といううたい文句を時たま目にしますが、私は文化芸術に対しての「格安」という言葉が大嫌いです。
文化芸術に対する冒涜としか思えないからです。
しわ寄せが行くのは奏者さんたちですし。

かなり昔、某有名商業施設の方から「クリスマス時期にレストラン街で演奏してほしい」という連絡がありました。

ギャランティの話になると「あの場所で演奏させてあげて、好きにチラシとか配っていいので、タダでやってくれ」という内容でした。
当然キレて断りました。アホか。頭ワル!!

そんなこんなで、結構いろいろと勘違いしている人も多いです。

奏者の皆様、どうか「金かやり甲斐か」という言葉を覚えておいてください。

事務所側の私がバリバリのビジネスマンであれば、いかに奏者を安く使って薄利多売で価格競争に勝って儲けるかを考えるのでしょうが、一応楽器経験者なので、奏者さんの気持ちもよく分かりますし大変さも理解しています。

この事業は、ビジネス以前に、素晴らしい文化を後世に繋ぎ渡すという義務も背負っていると思っています。

文化が価格競争になってしまってはお終いです。
ですので奏者の皆さん、どうか「金かやり甲斐か」という言葉を覚えておいてください。

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